大判例

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名古屋高等裁判所 昭和28年(う)13号 判決

原判決によれば原審は論旨摘録の証拠を挙示して論旨摘録の事実を判示した上被告人を窃盗既遂罪に問擬したことは所論の通りである。而して窃盗が既遂となるには、他人の支配を排除して当該財物を自己の支配内に移するを以て足り必しも当該財物を他に搬出する等の行為を伴うことを要せず且つ他人所有の物件の定著物乃至その構成部分を不法に領得する意思を以てこれを切断分離せしめた以上これを以てその分離せしめられたその定著物乃至その部分に対する他人の支配を排除してこれを自己の支配内に移したものと解すべきところ右原審挙示の証拠によれば被告人は(右の四字の削除を遺脱したものと思料せられる)論旨指摘に係る直径十二吋位高二十吋位三貫匁位のものは原審判示の砲金製煖房機の構成部分であり被告人はこれを金切鋸で切断分離せしめたことが明かであるから原審が前示の如く認定し該物件について被告人を窃盗既遂罪に問擬したことは寔に相当であり従つて前判決には何等所論の如き違法の点は存しない。

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